チョロッと1本見えてしまっただけで100年の恋も冷める…
そんな厄介なヤツ、鼻毛。
でも実は、そんな「鼻毛」が、昔から、男女の色恋を表現する慣用句として使われているんです…!
まあ、“男女の色恋”と言っても、ロマンチックなものではなく、どちらかと言うと情けない感じのものばかりなのですが…。
本記事では、そんな、覚えていたら使えるかもしれない!?鼻毛にまつわる慣用句をご紹介します。

男女の関係性を見事に表現!鼻毛にまつわる慣用句

鼻毛を伸ばす(はなげをのばす)

意 味:女性の色香に心を奪われて、だらしなくなる。
使用例:「アイツは若い女性とみるとすぐに鼻毛を伸ばす」

近い意味を持つ言葉に「鼻の下が長い」という言葉もありますが、「鼻毛が長い」はさらに強い意味合いになります。
「鼻の下が長い」=「女性にボーッと見とれている」状態だとすると、「鼻毛が長い」=「女性に魅了され、そのことしか考えられない」状態というニュアンスになります。
鼻毛を“絡め取られて引っ張られている”ような感じなのでしょうか…?(笑)

鼻毛が長い(はなげがながい)

意 味:女性の魅力に溺れ、デレデレして、だらしなくなっている。
使用例:「鼻毛の長い酔客」

「鼻毛を伸ばす」と同様の意味になります。
“鼻毛を伸ば”した結果、“長く”なっている状態だと考えるとわかりやすいですね。

ちなみに、実際に“鼻毛が長く”なる(伸びる)理由のひとつには「男性ホルモンの影響」というものがあります。
※参考:なぜ鼻毛は長くなる?鼻毛が伸びる原因と対策 │ 鼻毛にまつわるエトセトラ
慣用句の中だけでなく、現実にも、
“女性に興奮する→男性ホルモンが多く分泌される→鼻毛が長くなる” というメカニズムがあるのですね。

鼻毛らしい(はなげらしい)

意 味:女性に甘い様子。
使用例:「アイツは鼻毛らしいヤツだから彼女が怒るのも仕方ないよ」

「鼻毛らしい」と言っても、“鼻毛のような人”という意味ではありませんのでご注意ください。
「アイツは鼻毛らしいヤツだ」と言われるなら、そのまま「アイツは女性に甘いヤツだ」と言われる方が良いですね…。

鼻毛を読む(はなげをよむ)

意味:女性が、自分に惚れている男性をもてあそび、思うままに操ること。
使用例:「さんざん貢がせた挙げ句に振るなんて、あの女はお前の鼻毛を読んでいたのだろう」

これ以下は、男性を魅了している側の女性目線での慣用句になります。
ここでの「読む」は、“数をよむ(数える)”の意味です。
男性の伸びた鼻毛を1本1本数えられるほど、女性側は余裕なのです(笑)

鼻毛を数える(はなげをかぞえる)

意 味:女性が、自分に夢中になっている男性の弱みにつけこみ、自由にもてあそぶこと。
使用例:「借金までして買ってやったブランドバッグを質に入れるなんて…俺としたことが完全に鼻毛を数えられていた」

こちらは「鼻毛を読む」と同じ意味ですね。
女性が、自分に溺れる男性の伸びた鼻毛を一本一本数えるという意味から生まれた言葉です。

鼻毛を抜く(はなげをぬく)

意 味:相手を騙し、出し抜くこと。相手の心中を見抜いて、手玉に取ること。
使用例:「ついつい鼻毛を抜かれてしまい、一文無しになってしまった」

主には、女性が、自分にうつつを抜かしている男性をたぶらかし、都合の良いようにあしらう場合を言います。
デレデレと伸びた男性の鼻毛を、1本2本…と数えるだけに留まらず、引っこ抜いてしまうのですから、女性が男性を完全に骨抜きにしている状態ですね。

「鼻毛を抜く」という言葉よりも「鼻毛を抜かれる」という受け身(騙された側の立場)な表現で使われることの方が多いかもしれません。

まとめ

さて、ここまで、鼻毛にまつわる慣用句をご紹介しましたが、ご存知のものはありましたか?
「鼻毛」の慣用句って、マヌケなように聞こえますが、どれも恐いですね。

ちなみに、「慣用句〜見られたくない毛シリーズ〜」には「尻毛(しりげ)」バージョンもあります。
「尻毛を抜く」:他人が油断している隙につけ込んで、不意に物事をしでかし驚かせる。

このような表現を見ていると、やはり、「ムダ毛が見えている状態=隙だらけ」なのだと感じてしまいます。
世の男性陣は、油断して伸びた鼻毛を女性に抜かれてしまうことのないよう、
月1回の鼻毛脱毛でしっかり鼻毛ケアをしておきましょう!