鼻毛の役割のひとつに、「フィルター機能」というものがあります。
鼻毛が空気中のチリやホコリ、ウイルスを絡め取って、体内へ侵入するのを防ぐ というものです。
そのため、鼻毛脱毛のデメリットとしてよく挙げられるのが「風邪をひきやすくなる」ということ。
でもこれ、本当なのでしょうか?
実際、鼻毛ボーボーの人が風邪をひかないのかというと、当然、そんなわけはありませんよね。
本記事では、この「鼻毛脱毛が風邪の原因になる」というウワサについて、詳しくみていきます。
ウイルスの侵入を防ぐのは「鼻毛」ではなく「繊毛」
結論からお伝えすると、鼻毛脱毛が風邪に与える影響はほとんどないと言って良いでしょう。
なぜなら、そもそも、空気中のウイルスや細菌をキャッチしているのは鼻毛ではないからです。
鼻毛は空気中のゴミやウイルスの侵入を防ぐと言われていますが、実のところ、その役割を担っているのは、鼻毛が生えている部分よりもっと奥にある、咽喉から肺に至る気道の内壁を覆う粘膜と繊毛(せんもう)です。
喉の奥は粘膜でできており、そこに0.005㎜程度のとても短い毛「腺毛」が生えています。
鼻の穴から細菌などが入ると、それを粘膜がキャッチします。粘膜でキャッチされた異物は線毛が動いて、喉の方へ押しやり、咳やタン、くしゃみなどで外へと追い出すのです。
もし、外へ排出できずに喉を通り過ぎた場合は、胃液で分解されます。
一方、鼻毛にはこのような働きはありません。
鼻毛よりも大きなホコリやゴミであれば鼻毛でもキャッチすることができますが、細かなゴミやウイルスなどは鼻毛をすり抜けてその奥まで侵入してしまうのです。
そのため空気中の異物の侵入を防ぐには、鼻毛を伸ばすよりも、繊毛の活動を低下させないことの方が大切なのです。
逆に言えば、「風邪をひいてしまう=繊毛の機能が低下している」ということ。
繊毛は冷えや乾燥に弱いので、マスクで加湿したり、首まわりを温めて保湿・保温してあげましょう。
とはいえ、鼻毛を抜くのは手前の毛だけにしておこう
ここまで、空気中のゴミやウイルスの体内への侵入を防いでくれているのは繊毛であり、鼻毛ではない、とお話してきました。
ただし、そうは言っても、鼻毛が大きなホコリやゴミなどをキャッチしてくれているのは事実です。
そのため、鼻毛脱毛の際には、鼻の入り口から1~1.5cm以内の、相手から見える範囲のみに止めておくようにましょう!